※この記事はYahoo!ニュースより引用しています。
JR福知山線脱線事故で、兵庫県警が書類送検の内容を事前説明するという異例の措置に踏み切った背景には、事故のことを知りたいという遺族や被害者の強い思いがある。「真相究明と捜査状況の説明を求め続けてきた遺族や負傷者に最大限応えたかった」。捜査幹部はこう説明する。
捜査本部は3年以上にわたり、犠牲者約100人の遺族や500人以上の負傷者から事情を聴いてきた。その一方で、捜査員らは「捜査中」を理由に何も伝えることができなかった。
「遺族に何も話せていない。なんとか手段はないだろうか」
捜査員の声がきっかけとなり、県警は7月末ごろから事前説明ができないかどうかの検討を始めた。
刑事訴訟法47条は「公判開廷前に訴訟に関する書類を公にしてはいけない」と定めている。
保秘か、被害者への配慮か。慎重論もあったというが、刑訴法のただし書きに「公益上の必要のある場合はこの限りではない」とあることや、犯罪関係者に対する配慮をとりまとめた国家公安委員会規則に「関係者の利便を考慮する」とされていることを積極的に解釈。書類送検直前なら捜査への影響も出にくく、容疑事実の概要説明にとどめれば「訴訟に関する書類」に当たらないと判断した。
遺族は兵庫県内9市のほか、大阪や東京、福岡などの5都府県に在住。県警は本部と所轄の被害者対策担当の警察官を中心とした約70人態勢で、2人1組で順に訪問していく。
ただ立件の可否を判断する検察当局の捜査に配慮し、一部の遺族らが強く求めてきた事故の全容や押収資料の開示は行わない。
県警幹部も「話せることと話せないことがあり、必ずしも満足してもらえないかもしれない」と認めたうえで、「質問や疑問に誠実に対応するしかない」と話している。
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